2013年5月30日木曜日

カラーマネジメントについて

カラーマネジメントって解りにくいし、いざ拘ろうとするとお金もかかるので軽くまとめ。


まず、カラーマネジメントを考える際の基本は、色空間と色域を統一、もしくは正しく設定することになる。

色空間とは、色を表す際に用いる座標系のことであり、色域とは色空間において表現可能な色の範囲のことである。

デジカメ出力やCGの場合、おおよそ基本的な色空間はRGB、色域はadobeRGBかsRGBのいずれかになる。

印刷物に使用する場合、最終的な出力がcmykになることがあるが、一般家庭での使用においては考慮しなくて良い。

ROM作成時にジャケットの印刷を発注する場合、cmykに変換する必要が出てくるが、この時はソフトのファイルフォーマットの指定もかかるため、そのソフトによって最後にファイルを保存する際に変換を行えば良い。

adobeRGBはsRGBよりも表現可能な範囲が広く、色調を豊かにしたい場合は極力adobeRGBを使用するようにする。



実際に設定をする場合、最初にやるべき事はOS、もしくはソフトウェアがどの色域に設定されているかを確認する事になる。

明確で無い場合sRGBだと考えれば良い。

adobeRGBに対応可能である場合でも、単純にadobeRGBを選択すればよいかと言えばそうではなく、入力が対応している必要がある。

また、adobeRGBに設定した場合、webやROM向けのファイルを作成する際に色域の変換を行う必要が出てくるため、そこ手間を受け入れるかどうかも考えなければならない。


ソフトウェアの設定が明確になったら、次にカメラがその色空間の出力に対応しているかどうかを見る。

RAW運用でadobeRGBに対応していない場合、環境全体をsRGBに設定すべきとなる。

JPEG運用である場合や設定項目に色域指定が無い場合はこの限りではなく、adobeRGBとして運用を行えば良い。

これは通常のJPEG画像では色空間にYCbCrを用いていることと、RGBに変換した際の色域がadobeRGBよりも広いことによる。


カメラの確認が終わったら、今度はディスプレイがその色空間の出力に対応しているかどうかを確認する。

ディスプレイの色域については、ソフトウェアが対応している限りwindowsでもvista以降ならばカラープロファイルが正しく設定されていれば自動的に色域の変換を行ってくれるため、ディスプレイの対応可能な色域について過敏になる必要はそれほど無い。

ただし、色域の変換が行われている場合は正確な色で出力されているわけではないため、多少色が変化することは許容しなければならない。

問題なのはsRGBまでしか対応しないソフトウェアの出力をadobeRGB設定のモニタで出力する場合で、この時にはソフトウェアを色域の変換に対応したものを使用する必要がある。


最後に、プリンター、もしくは最終出力対象となるディスプレイの設定を確認する。

通常、自身で編集した画像を誰かに見せる場合は、印刷を行うか他者のモニターで表示することになる。

プリンターで出力する時にはカラープロファイルが正しく適用されていればまず問題はない。

しかし、他者のモニターで出力を行う場合、最終的な出力の内容をsRGBとして出力しておかないと色がおかしくなってしまう可能性があるため、adobeRGBで環境を整えている際には変換を行う必要が出てくる。


カラーマネジメントを行う場合、最低限上記した事については意識しておかないと、せっかく揃えた機材や設定した内容が逆に色ズレを起こす原因になりえてしまう。

そうはしないためにも、色空間や色域に対する理解を多少なりとも深めておくべきだろう。

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