2013年6月11日火曜日

色温度について

色空間についてはちょっと書いたので、今度は色温度について。

色温度というのは、単位をケルビン(K)で表し、光源により変化する「白」を表す色の温度のことを指す。

何故白を温度として表すのかといえば、物体を加熱した際に発せられる光の色を、その温度で表しているからによる。

例えば、電球はタングステンを加熱することで発行させており、発行時の温度は2500度を超えるために、赤熱した鉄のようなのように赤い色ではなく、もっと白に近いオレンジになる。

なので、写真において、色温度を調節するというと、画面を赤くしたり青くしたりすることとおもわれがちだが、実際には環境光の光の色を指定することで、「白」の見え方を調整することを指すことになる。



そもそも、数値化されているものであれば何が「白」なのかが変わることはないと思われるかもしれない。

実際、24bitRGBの数値でいえば通常は255:255:255が「白」である。

しかし、人の目において何が「白」なのかは、ウィトゲンシュタインの私的言語よろしく人によって変わったり、場面によって変わったりする曖昧なもので、機械には何が白なのかを判断出来ない。

このために、白の色を機械に教えてあげる方法が色温度の調節、というものになる。



なるべく正確に写真の色温度を設定したい場合、「白」となる色の紙などを持ち歩いて、写真を取る前にその紙が白に見えるように設定を行う。

実際には、そのような用途では18%標準反射板(グレーカード)というものを用いて標準の白を測定する。

このような調整を行うことで、同じ被写体をいろいろな環境で撮影した時に、撮影環境の光源の色温度にかかわらずなるべく同じ色に見えるように保つことができる。

但し、実際にはそれらの方法で設定をすれば必ず同じ色に見えるというわけではない。

通常、撮影環境には複数の光源が存在し、測定用のグレーカード以外の場所に当たる光源からも色の影響を受けることになるが、グレーカードで測る色温度はそこに当たる光源の色温度のみであり、その他の光源の色は加味されない。

それに対し、人間の目は各画素ごとに色温度に対して環境適用するため、画面を何万分割してそれぞれごとに色温度設定するなどしないと印象と似たものさえ得られず、それは非現実的である。
(現実、画面を複数に分割して色温度設定する環境もある)

加えていえば、RAWデータで管理していれば、色温度は付加情報であって、画面への表示時に色味の演算に用いられはするが、画像部分の情報には影響しない。



撮影時の色温度管理は、現像時に色温度設定を変え辛いフィルム時代に、できる限りイメージに近い色味を手に入れるための手段だったと考えるのが妥当だろう。

ポストプロセスとして色温度を調節できるようになっている現状では、グレーカードで色温度を測るのは、正直あまり意味のない行動である。



色温度は撮影時だけでなく、、コンピューターのディスプレイを見る時や印刷する時にも関係する。

コンピューターの画面における標準的な色温度は6500Kで、通常の照明よりも青白く感じられる色となっている。

このことより、6500K低い色温度にて撮影された画像を、撮影した際の色温度で表示しようとした場合、画像が多少黄ばんで見えるようになる。

色温度を考慮せず表示される場合はこの限りではないが、表示環境の画面の色温度設定に合わせて表示できなくなる。

これらから、色温度を加味した表示を子なった画像は黄ばんで表示されているとの認識を受けることになりかねない。

しかし、例えば色温度を下げたディスプレイで表示した場合、そもそもその表示自体が黄ばむために、そのことを意識できていないことによる。

画面中に表示される文字の色などから相対的に色を認識するためにそう思うのであり、黄ばんで見えても、それは間違いではない。


長くなったので続きはまた今度。

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